【ご祝儀所作物】

一般的な「三番叟物」の基本は、翁が、千歳の持って来た面箱の面を付け、国家安寧を祈り、その後、千歳が神々の謂れを舞で現わし、翁と問答があって、翁は元の座へ退場し、千歳が三番叟に鈴を渡して退場。その後、三番叟が「揉(もみ)の段」「鈴の段」を舞う。

 

解説

おめでたい時に演じられる、能の『翁(式三番)』で、千歳(せんざい)、翁(おきな)の舞のあとに激しい囃子と共に走り出て舞うのが三番叟(さんばそう)です。

一般の能より古い芸能の流れを伝える『翁(式三番)』は、極めて神聖で重要なものとされていて、舞台の出、面の付け方、囃子方など演出に特別の決まりがあります。

歌舞伎では、能と異なり、荘重な感じよりもむしろ「三番叟」のような滑稽な感じや動きの面白さが好まれたので、「三番叟」の部分がよく演じられました。江戸時代には、顔見世興行の初日から三日間と正月元旦には必ず上演されています。

儀式曲として開場・開幕時に演じられることが多く、「二人三番叟」「操り三番叟」「舌出し三番叟」など、数多くの演出があります。踊りが省略されて酒などを開演前に舞台に捧げる「三番叟の酒」という形で備えられる場合もあります。