【世話物】大江戸怪盗五人組、参上!

浜松屋の店先の場で、弁天小僧が化けの皮をはがされ引き揚げた後、再び日本駄右衛門の手引きで弁天小僧と南郷力丸が忍び込んで、主人と息子を殺そうとする。しかし親子の命乞いから、弁天小僧は浜松屋の息子、浜松屋の息子が日本駄右衛門の息子と判明する。親子の名乗りを上げ何もとらずに引き上げようとするが、浜松屋の番頭の通報で取り手が迫ってきている。浜松屋は、手下が下見の口実に頼んでいった小袖を五人の餞別として送り、別れとなる。その小袖を着て稲瀬川に勢揃いする。

主な登場人物

●日本駄右衛門(にっぽんだえもん)
 白浪五人男のリーダー。

●弁天小僧菊之助(べんてんこぞうきくのすけ)
 女装の美青年。札付きのワル。

●忠信利平(ただのぶりへい)
 元浪人で剣の達人。寡黙だが正義感が強い。赤星十三郎の家臣。

●赤星十三郎(あかぼしじゅうざぶろう)
 小姓あがりのおかまの兄ちゃん。

●南郷力丸(なんごうりきまる)
 漁師育ちの荒くれ者。弁天小僧の兄貴分。

●捕り手頭

●捕り手

解説

幕末から明治にかけての歌舞伎作者、河竹黙阿弥(かわたけもくあみ)の作。日本駄右衛門、弁天小僧菊之助、忠信利平、赤星十三郎、南郷力丸の5人の泥棒の因果を描いた白浪物(盗賊を主人公にした作品)で、黙阿弥の代表作のひとつと言われている。
 「知らざあ言って聞かせやしょう(浜松屋見世先の場)」のセリフが有名で、「弁天小僧」「白浪五人男」とも呼ばれる。
黙阿弥が両国橋付近で、美貌の青年が女の長い着物を着てぶらぶら歩いているのを見て弁天小僧を思いつき、当時の人気浮世絵師、三代目歌川豊国に話して錦絵が出来、それをまたこの芝居に仕立てたという。そんな逸話があるだけに、錦絵から抜け出したような華やかな演目となっている。